張飛、声を掛ける。

張飛、郝昭に声を掛ける。
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司馬懿(司馬懿サザビー)が生きているというのは
郝昭(郝昭ギラ・ドーガ)の妄想であった事に思い至り
激戦からの疲労を伴った虚脱感で
地面に転がった子龍殿(趙雲ガンダム)。
そこに郝昭が涙ながらに問い掛ける。
「なあ…俺を殺すか?
 俺はお前達に負けた敵軍の兵だ。
 お前達の仲間の命を奪った憎き仇だ。
 常人が持たぬ不気味な力を持った化け物だ。
 なあ…俺を…俺を殺してくれ。
 俺には、生きている理由が無いのだ…。」
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「………。」
涙を溢れさせた目で見つめる郝昭の言葉に
子龍殿は答える言葉を見付けられずにいた。
そこへ大股で大きな足音を立てながら誰かが近付いて来た。
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「よぉ!元気か?」
郝昭に痛手を受け、気を失っていた筈の
翼徳殿(張飛ガンダム)であった。
子龍殿は言った。
「こんな状態の俺に元気か?は無いでしょう。
 それより…貴方の方こそ大丈夫なんですか?」
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「ん?なんだって?俺は元気かって?
 おおよ!少し寝かせてもらったら、この通りさ。」
翼徳殿は余裕で答える。
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「まったく…貴方らしいな。」
子龍殿は少し笑った。
そこへ今度は郝昭が話し掛ける。
「張将軍よ…俺の願いを聞いてくれまいか。
 俺を…生きる理由の無い俺を殺してく…。」
しかし、郝昭が言い終える前に
翼徳殿が己の言葉を重ねてくる。
「おいおいおいー!郝ちゃんじゃね~か。
 さっきの一撃は効いたぜ。
 あれ絶対、俺の次の攻撃を読んでたよな。
 一体どうやったってんだ?なあ、教えてくれよ。
 人の心が読めるとか?それとも小人さんが教えてくれるとか?」
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自分以外の世界の全てに心を閉ざしていた郝昭には
こんなに気さくに、しかも先ほど剣を交えた相手から
声を掛けられるのは初めての体験であった。
そんな初めての体験に戸惑いながらも郝昭は答える。
「お…俺は普通の人間より耳が良い。
 相手の筋肉の動く音や心臓の鼓動の音から
 次の一手を読み、それに合わせた攻撃を繰り出している…。」
「おーおーおー!それはスゲェな~、おい!
 相手の音を聞くってか。それはホントすごいわ。
 なあなあ、今はどんな音が聞こえる?教えてくれよ。な。」
翼徳殿の更なる質問に郝昭は答えざるを得なかった。
「風が砂を運ぶ音…兵達が吐く荒い息や溜め息の音…
 合戦の騒ぎで鳥や虫はここを離れたのか
 それらの声は聞こえない…遠くで泣く子供の声…
 それと、貴方の痛みに耐える微かな荒い息…。」
「ぬお~!分かっちまったか!
 やっぱスゲェなあ、おい!
 人の身体の不調まで分かっちまうなんてスゲェなあ。
 じゃあな、それで医者の手伝いなんかどうだ?
 外からじゃ分からねえ、身体の中の不調の音を聞いて
 病の原因を探るんだよ。
 きっとお前にしか出来ねえ凄い技だぜ。
 元気になったらよ、絶対やってみろ!
 お前なら出来るぜ!」
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「よっし!取り敢えずは俺の家に居候して養生する。
 で、この戦で疲れた民の身体を診てやるんだ。
 それから…。」
翼徳殿は一人で盛り上がって話し続ける。
郝昭は今度は子龍殿に声を掛ける。
「この人は、いつもこんな感じなのか?」
「ああ、いつもこんな感じだ。」
「さっきまで俺は、お前たちを殺そうとしていたんだぞ。」
「お前を倒し、俺達の部隊が先に進める事になった時点で
 この人にとって敵、味方という区別は無くなっているんだろうな。」
「ふ…凄い人だ。」
郝昭は笑った。
子供の時以来の笑いだった。
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「お?なんか言ったか?
 いや駄目だ。やっぱ俺の耳じゃお前ほどは聞けんわ。
 それよりお前たち元気無さ過ぎ。
 もっと大きな声で話してくれよ。」
郝昭は笑ったまま翼徳殿に答える。
「無理を言わんで下さい。俺達は怪我人です。
 貴方も含めてですが。」
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「おーおーおー!言うじゃねぇか。
 はっはっはっはっはっは!」
次の作戦への合間のひと時。
翼徳殿の笑い声がこだました。

コメント

何故でしょう・・・? 少しほのぼのとしてしまいました。i-230郝昭はこのまま医者になるのでしょうか?
ニンニンジャーの残る幹部は1人。声は誰が当てるのでしょうかね? そして映画版仮面ライダードライブ、メルセデス・ベンツを基にしたネクストライドロンが登場するそうです。

Re: タイトルなし

張飛は本当に、俗に言う「動いてくれる」キャラクターです。
もう張飛が主人公で良いのでは?なんて。
郝昭の今後を描く予定はないのですが
きっと静かにささやかな幸せのある人生を歩んでくれると思います。
新幹部も気になりますが九衛門の小槌商品化も気になります。
映画ドライブ、たくさん仕掛けがありそうですね。
ダークドライブのフィギュアが欲しいなあ。

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