郝昭、語り出す。

郝昭、己について語り出す。
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決着がついたはずの闘い。
子龍殿(趙雲ガンダム)の隙を突き
不意打ちを狙った郝昭(郝昭ギラ・ドーガ)の企みは
愛馬・飛影閃の努力で防がれた。
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「ううっ…。」
虚しく空を舞い、己の眼前に突き立つ小刀を見た郝昭の心の中で
何かが砕け、その頬を悔し涙が流れた。
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最後の機を失い、頭を落とし、地に伏した郝昭。
それに、ゆっくりと近付き声を掛ける子龍殿。
「凄まじい執念だな。
 何がそこまで、お前にそうさせるんだ。
 もう…もういいだろ。」
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「はは…はははははは…。」
四肢を投げ出し、仰向けになる郝昭。
そこ口から洩れるのは意外にも、乾いた笑い声。
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「ああ。もういい。
 もう立ち上がる気力も体力も尽きた。
 もういいのだ。俺の負けだ。もう勝てない。
 もう、太傅の為に闘う事も出来ない…。」
郝昭の声は笑っている筈なのに、どこか寂しげだ。
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「俺は普通の奴等より耳が良い。
 いや、良過ぎたのだ。」
郝昭は誰に訊かれたのでなく、誰に聞かせるでもなく
己の事を語り始めた。
「遠くの鳥のさえずり。風の音。葉や枝の擦れる音。
 幼い頃は、それら自然の語り掛けてくれる声を楽しめた。
 幸せだった。
 だが、成長し己以外の人との関わりを持ち始めると世界は変わった。
 俺の、俺だけの力を妬み、恐れ、忌み嫌う者達の囁き。
 ひそひそと隠れて話しているつもりだろうが、すべて聞こえていた。
 その音は刃となり、俺の心をずたずたに切り裂いた。
 同じ村の者。昨日一緒に遊んだ者。そして…親達。」
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「孤独だった。
 だが、その孤独とは関係無く腹は減る。
 家に居場所の無くなった俺は働き口を探したが
 人との関わりを持たねばならない仕事に就く気は無かった。
 それ程に俺の心は乾いていた。」
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「しかし、仙人にでもならなければ人との関わりを断つ事は出来ない。
 そこで俺は戦場に出る事にした。
 戦場ならば、戦果を上げさえすれば
 どんな能力を持っていても関係無く飯が食える。
 そしてこの頃には、周りの兵士達の俺への妬みや卑下する声は
 俺の乾いた心には届きはしても、心を切り裂く刃にはならなかった。
 俺は心に無関心という名の鎧を着込み、何も感じなくなった。」
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「そして、俺の得物が誰かの肉を引き裂く音や
 血の噴き出す音、地面に落ちた腕が跳ねる音
 絞り出すような悲鳴、死に際に家族の名を呼ぶ声も
 俺の心に響かなくなってきた頃…太傅に出逢った。」
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「冷たい目だった。
 幼い頃、俺が愛した木々の葉と同じ色なのに
 暗く冷たい光を放っていた。
 その目が、俺を捉えて離さなかった。」

コメント

郝昭の能力・・・異能ゆえの苦しみというものでしょうかね。そして司馬懿との出会い。ここからが郝昭のある意味での始まりなのでしょうね。
ついに登場、仮面ライダーチェイス!その活躍やいかに!?そしてWでは井坂先生が登場! 天災医師が嵐を起こします!!

返:武吉トーラス様

物語の中の特殊な能力を持った人物って
実際に生きていたらどんな風なのか。
自分がその人物だったら何を考えて生きるのかと考えて
こんな風に描いてみました。
チェイス、いい感じじゃないですか。
足で探して定価で買ったブレイクガンナーは宝物です。
井坂深紅郎、良いキャラクターでしたね。
Wのキャラは全員好き。

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徐庶ZII

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私の名は徐庶。
ここに記すのは
戦乱の中消された記録を
私の記憶のままに
書き連ねるものである。
初めから
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二週に一度
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