趙雲、思う。

趙雲、己の事を思う。
P8050118.jpg
「ん…ふぅ。子龍さん、やられちゃいました。
 駄目ですね、私。まだまだ未熟で。
 で…でも、奴の秘密は暴いてみせましたよ。
 奴は私達の発する音を聞いて…。」
「喋るな、傷に触る。
 全部聞いていたよ。後は俺がやる。
 だから、ゆっくり休むんだ。」
「はい。その言葉に甘えちゃいますね。」
奥方の手を取り気遣う子龍殿(趙雲ガンダム)。
苦しいながらも、それに笑顔で返す
雲騄殿(馬雲騄ブルーディスティニー)。
P8050110.jpg
そこへ郝昭(郝昭ギラ・ドーガ)が
魔戦馬の戦輪の回転する音と共に近付いて来る。
「そういえば、貴様等は夫婦だったな。
 麗しい夫婦愛。読み物ならば感動の場面だが…
 だが、ここは戦場だ。
 戦場では愛など、単なる雑音にすぎんのだ!」
P8050112.jpg
奥方を倒した仇、郝昭に向かって振り向く子龍殿。
しかし子龍殿は相手を憎むよりも自身を責めていた。
「将でもある俺が粋がったばっかりに
 早々と奴に打ちのめされ、この後の策が控えている翼徳殿や
 本来なら闘いに参加しない月姫殿や雲騄にまで
 痛手を負わせる事になってしまった。」
P8050117.jpg
子龍殿はうつむいて独白を続ける。
「何が恐れ知らずの趙子龍だ。
 敵が強敵なのを知りつつも、己の強さを誇示したいばかりに
 考えも無しに突っ込んで行って自滅する。
 しかも、自分だけが傷付くならまだしも
 仲間まで傷を負わせる事になるなんて最低だ。
 そうだ、俺は馬鹿だ。大馬鹿だ。
 仲間も妻も護れない愚か者だ。」
P8050118.jpg
「感傷に浸っている所、悪いのだが
 さっきも言ったように、ここは戦場だ。
 敵の後悔に付き合っている程、俺も暇じゃない。
 お前を倒して、侵攻部隊は全滅。
 後は門の外の奴らを倒しに行かねばならんのでな。
 こういう時に数を減らす!」
郝昭が長刀を持ち上げながら言った。
P8050123.jpg
「分かっている。
 お前が強敵なのも、俺が愚か者なのも分かっている。
 そして、今は闘いの時間だという事も。」
子龍殿も二対の槍を構え、闘いに備える。
「ひひーん!」
意識を取り戻した飛影閃も身を起こし
立ち上がれないまでも、子龍殿に声援を送る。
P8050126.jpg
「ふ…また読み物語のような甘い世界など展開しおって!」
言いながら長刀を振り降ろす郝昭。
「俺は馬鹿だった…。」
再度、後悔の言葉を口にしつつ
子龍殿は郝昭の攻撃を槍で防ぎ、撥ね退ける。
P8050129.jpg
「力や勢いだけで、あとさき考えずに行動する事は
 本当の勇気じゃない。」
子龍殿は自らに言い聞かせるように言う。
P8050132.jpg
「相手の力の大きさを真に受け止め
 それに対処する最適な方法を持たない自分を知り
 敢えて敵を恐れる事で、今の戦局を見定める。
 そして、それでもなお立ち向かう事こそ本当の勇気だ。」
P8050133.jpg
「恐れ知らずの趙子龍の名は返上だ。
 強い敵を知り恐れ、仲間を傷付けられる事を恐れる。
 それでも、その恐れに背を向けない事を
 今日から俺の中の力にする。
 俺は恐れを知る侠(おとこ)、趙子龍だ!!」
自らの過ちを悔い、今までの愚かな考え恥じ
心の中に芽生えた新しい自分の力を受け入れた子龍殿。
その両肩の鎧が、心の中の新たな強さに呼応するように
強く輝き出すのであった。

コメント

”勇気”・・・これは特撮以外でも考える課題の1つですね。ここからどう逆転するか楽しみです!!

先日、東映YOUTUBEにてビーロボカブタックを観ました。リアル世代の私としては是非とも本編をやってほしいです。

返:武吉トーラス様

もうこの年になると、いろいろ思う事を
自分の創作の中に描きだす事も多くなります。
さあ次回は…。
カブタック面白いですよね。
まだ玩具コレクターでなかったので
当時いろいろ買っておけばよかったなあと後悔。
見本展示のあったフィギュアーツに期待です。

はじめまして

はじめまして
先の休日にネットサーフィン中こちらにたどり着きました。

お話を始めから拝見したところ夢中になってしまい気づけば一気に読み切ってしまいました(笑)

自分も手慰み程度ですがBB戦士の改造などをやっておりまして、先生の作品に強烈な刺激をいただきました。

お話も燃える展開やホロリとする場面を丁寧に書かれていて非常に読みごたえがあります。

今後も一読者として先生の物語を楽しませていただきたいと思う所存です。

長文・駄文にてのお目汚し大変申し訳ありませんが、どうしてもこの思いお伝えしたくキーボードを取った次第です。今後もお体にお気をつけて、素敵な物語を紡いでいただければ幸いです。

失礼いたします。

返:とおりすがりのSD好き様

どうもはじめまして。
お声掛けして頂けて嬉しく思います。
模型作りの技術も文章力も写真撮影技術も
全くの素人なので読み返すと
顔から火が出る思いですが
その火に負けない情熱を燃やして
頑張ってい(るつもりになって)ます。
三国伝公式は動きが止まってしまいましたが
私たちファン…SDチルドレンで
これからもSDガンダムを盛り上げて行きましょう!
隔週でゆっくり書いていますので
終わるのはまだまだ先ですが
これから演者がイフリートやマスターガンダムの
登場人物なども出す予定だったり
次回作は全く違う世界の、あのSDガンダムシリーズの
続編を考えていたりします。
寒くなりましたので、そちら様もお身体に気を付けて
素敵なSD生活をお紡ぎ下さいませ。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

徐庶ZII

Author:徐庶ZII
私の名は徐庶。
ここに記すのは
戦乱の中消された記録を
私の記憶のままに
書き連ねるものである。
初めから
読み返してやろうという
有り難い方は
「カテゴリ」の欄
『初めに…』から
お入りください。
二週に一度
更新しております。

皆さまの拍手
乾いた私の心に
染みまする。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
たまに呟いています。
検索フォーム
リンク