屍部隊兵、其の正体。

屍部隊兵、恐ろしき其の正体。
洛陽の街に潜入した黒の部隊達の前に現れたのは
見慣れぬ鎧を纏った部隊兵達。
しかし、その部隊兵達からは生気が感じられず
仲権殿の攻撃を喰らって倒れるも
無言で立ち上がるという、不気味な様子を見せていた。
「そんな馬鹿な!?」
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しかも、その奇妙な部隊兵達は
何処からか、湯水の様に湧いて出てくるのであった。
「ハーッハッハッハッハッハ!
 恐れ入ったか、この侵入者共め!!」
「我等自慢の屍部隊兵。
 身体が無くなるまで何度でも立ち上がり
 どんどん増える、無尽蔵な死の部隊よ!」
屍部隊兵呼ばれる者達と共に現れたのは
胡軫と李儒の二人であった。
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「フッハッハッハッハ!
 随分と面喰らっている様だな。
 知りたいか?屍部隊兵の秘密を。
 ならば教えてやろう。
 此奴らは、その名の通り屍を
 闇の力で再生した部隊兵よ!」
李儒は、誰も訪ねていないのに話し出し
そして、更に続ける。
「司馬懿が練り上げた禁忌の術法は
 屍を兵士として蘇らせる事には成功したが
 生前の記憶までが蘇り、典韋の様に反旗を翻したり
 郭嘉の様に生意気を言ったりする事もあった。
 そこで私は考えた。
 人間の記憶や思考を司る器官、脳。
 その脳を、屍から取り除いてしまえば
 蘇らせた後に、自我を持つ事も無くなるだろうと。
 もちろん、私の策は大成功。
 会話や、考えるといった行動は出来なくなったが
 その分、疲れや痛みも訴えず、また死をも恐れない。」
「もちろん、脳以外の部分を傷つけず取り出すのは
 私の腕前と撃鋭牙の切れ味があってこそだ!」
まるで、歌の合いの手の様に胡軫が言った。
そしてまた、李儒は続ける。
「そして、永い戦争の歴史の中で築き上げられた屍の山は
 増え続け、材料には事欠かない。
 そう、無限の軍隊。無敵の部隊の誕生だ!!」
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「むむむむ…正に外道!許さん!!」
人の死という尊厳すらも踏み躙る鬼畜の行いに
仲権殿は、怒りの炎を燃え上がらせた。
「覇よ!怒りもあろうが、怪我人も多い。
 ここはやはり、一旦退却すべきだ。」
「我々が命を落とす事自体が
 奴等、悪しき闇の者達に
 力を与える事になるのだという事を忘れるな!」
「そうだったな。退却しよう、みんな!」
二人の従兄弟の忠告で、怒りを抑え込み
仲権殿達は退却するという選択をする事になる。
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「イヤッハッハッハッハ!
 奴等め、尻尾を巻いて逃げて行くわい!」
「少ない脳味噌で、我等には敵わぬと悟ったか!
 だが、此処でお前らを逃す程、私の策は甘くは無いのだよ。
 屍部隊兵よ!奴等を追い、血祭りに上げるのだ。
 そして我等が神に、その命を捧げ
 奴等も、屍部隊兵としてお前達の仲間に加えてやるのだ!!」
李儒の号令に無言で答え、屍部隊兵達の行進が始まる。
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屍部隊兵達の追撃の手は緩まず
遂に、門の外へと飛び出して行く。
「どうした、どうした!逃げるだけか?
 この私の、鋭牙激情斬を
 打ち破ってみせようという気概の有る者はおらぬのか!」
「逃げるだけが兵法ではないのだぞ。
 この私が一手指南を…を、を、お、おおおっ!?」
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仲権殿達を追い、門の外に出て目にした光景は
胡軫、李儒両名が忘れていた
太陽の輝きにも似た、眩い正義の輝きであった。
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洛陽の街は、正義の同盟の全軍に包囲されていたのであった。

コメント

お久しぶりです。
新しい部隊兵をそのアーケードゲームから持ってくるとは!目からウロコです(笑)
演出も、なかなか今までにない別の面白さがありますね。
さ、この後どう展開していくのか楽しみです!

お疲れ様です!
脳を・・・これはひどい・・・まさにゾンビ兵ですね。

恐ろしくも悲しい兵士たち。
その無念をも晴らす正義の軍勢の戦いに望みを(^^)/

態々脳を取り出すとは中々エグい事しますね…
ゾンビ兵と言えばデスアーミーですが
モチーフは南方牙隊の馬に使ってましたね

典韋さんは一体今どこに…

脳ですか・・・またエグいことを・・・
さすが悪役といったところでしょうか(汗
血を連想させる暗い赤は、機駕の部隊兵と一緒に見るとその違いがよくわかります
脳味噌を抜いた張本人たちが、退却する兵士たちのことを「少ない脳味噌・・・」と表現したのは一種の皮肉でしょうね


返:ヒロアキ様

お運び、有り難う御座います。
なんだか常に、頭の中で
使えるアイディアは無いか考えてます。
李儒のような
訊かれずとも自慢げに話すタイプな
キャラクターがいると
普段とは少し違った書き方になりますね。

返:ハルム様

李儒の非道さ
倒すべき理由付けに
脳除去という案が浮かびました。
屍部隊兵にさせられた者達を
涙を飲んで葬るのも
正義の役割ですね。

返:さすりゅ~様

そうそう、デスアーミーは
使っちゃってましたからね。
鹵獲兵器は戦争史には不可欠ですし
悪側の非道さも書けて、良い材料でした。
屍典韋は曹操の機駕離脱時に
死亡した事になっていますが
描き方が薄かったですよね。
何時か回想シーンで補填でも。

返:左京様

悪の非道さの度合いで
正義の良さも上がるかなと思いまして。
鎧の色や「少ない脳味噌・・・」の件まで
深く読み込んで頂けて
大変うれしく思います。

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