呂布、問う。

呂布、貂蝉に問う。
「俺を、見ていた?」
まだ、夜の明けきらぬ寝室で目覚めた呂布将軍は
自身を見つめる貂蝉殿に問うた。
「ええ。あなたがうなされてらしたから。」
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貂蝉殿の応えに「そうか」と言って
呂布将軍は身を起こす。
「嫌な夢を見ていた。
 俺は誰かに捉えられ、動けぬように縛り上げられていた。
 そして目の前で、お前や高順、公台達が
 敵の刃で切り刻まれていた。
 何とか助けたくて身をよじるのだが
 俺の身体は、ぴくりとも動かない。」
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呂布将軍の独白は続く。
「とても苦しいと思った。
 己の身に刻まれた傷よりも
 お前たちの流す血の方が
 俺の心を強く蝕んでいく。
 泣いた。
 戦慄の暴将と呼ばれたこの俺が
 やめてくれと、泣きながら懇願していた。
 何故だ?
 無数の命を奪ってきた俺が
 何故、泣くのだ。」
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隙間から吹き込む冷たい風を
そっと押し返すように
貂蝉殿が言った。
「それは…あなたが変わられたからよ。」
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「俺が……変わった?」

(また来週に続きます。話の途中ですので託欄は閉じておきます。)
プロフィール

徐庶ZII

Author:徐庶ZII
私の名は徐庶。
ここに記すのは
戦乱の中消された記録を
私の記憶のままに
書き連ねるものである。
初めから
読み返してやろうという
有り難い方は
「カテゴリ」の欄
『初めに…』から
お入りください。
二週に一度
更新しております。

皆さまの拍手
乾いた私の心に
染みまする。

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